2025年02月04日

四度目の転職 決心

昨年 GW 直前からの激動の記録。

GW 前に早期退職募集がアナウンスされ、私もその対象者に。
これに応募すべきかどうか、締め切りまでの1か月、悩みに悩んだ。



まずなんといっても、会社に不満はないし、所属部署にも仕事内容にも不満はない。
むしろ、そういう恵まれた職場環境はいくら金を積んでも手に入らないことは十分に理解していた。
では、応募しない場合とした場合、これから先どんな未来が待っているのか。

応募しない場合、おそらく定年までその所属部署で職務を全うするのだろう。
2年前にその部署に異動し、それまでのキャリアとはかなり違う業務で学ぶことは多く、その先もそれなりに自分の成長も期待できるだろう。
職場の人間関係という、最も不安定で悩みとなりやすいものが、少なくとも(当時の)現時点では安定している。
それらを考えると、その環境を手放すのは合理的ではない。

応募する場合は?
正直なところ、未来が全く読めない。
自分の希望通りの転職がこの年齢で実現するのか、それが最も気になるところ。
そういうリスクは当然あるとして、この制度でいくらかもらえる退職金の額がこのリスクに見合うほどのものか。
私は新卒で働き始めた頃から仕事嫌いな人間で、例えば宝くじが当選したら絶対に働かない、そう考えるタイプの人間。
ただ、ここで手にする額で働かない老後生活を始めるのはさすがに無理。

自分で考えても(かみさんとの相談や彼女の考えも含めて)、限られた狭い範囲の発想の中を行ったり来たりするだけであり、全く別の第三者の意見が聞きたいところ。
幸いにも、会社側でこの制度の応募者のために再就職支援をしてくれる外部企業とコンサルティング契約を結んでいて、そこの人にカウンセリングを依頼した。

その外部企業は、転職エージェントや人材派遣を主な生業としているが、このような再就職支援のコンサルティング業務もやっているので、カウンセリングに応じてくれる方も多くのケースを見てきているということで、わりといいアドバイスをもらえそう。
実際に相談して、仮に早期退職応募した場合、どのような選択肢があるか、過去に対応した事例をいくつか示してくれた。
- それまでのキャリアを活かし、同業他社へ転職してバリバリ続ける。
- それまでのキャリアが活きる、同業異業界へ転職する。私の場合だと、自動車製造業界ではなく、船舶や航空とか。
- 製造業エンジニアの経験を手に、独立起業する。個人コンサルタントオフィスとか。
- それまでの働き方を見直し気楽な仕事に就いて、「元気な老後」生活にシフトする。
- とりあえずしばらく何も考えずにのんびり過ごして、半年後とかリフレッシュできたところで次の決断をする。



こんな感じで、相談者が10人いれば、十人十色のいろんな選択肢があるようだ。
もちろんその中には会社に残るという選択肢もある。
ひとつひとつは聞いたことあるようなオプションではあるが、異業界というのはけっこう盲点だった。

このようなカウンセリングを受けたのと並行して、ビズリーチの方からはちらほら転職エージェントからのアプローチが来るようになった。
とりあえず、何かしら働き口は見つかりそうな予感。

こうなると、早期退職に応募して転職活動をするリスクも、うまくいかないとしても若い頃の転職活動と比べればおじさんの方が先が短い分、リスクは低いなと思うようになった。
しかも、自分自身で最も驚いたのは、ここで転職をして、先の短くなったエンジニア人生の最後に、何か新しい挑戦をしたくなったという自分の心境の変化。
上述のように元来私は怠惰な人間であり、隙あらば早く仕事からリタイアしたいと、働き始めた頃からずっと思っていたくらいなので。

あと、最初にこの早期退職の件について上司と面談したとき、淡々と制度の説明をされて、引き留めるような言葉がなかったのも背中を押すひとつになった。
企業風土的に辞めてほしい社員にそういうことを匂わすこと(「他にもっと活躍できる場があるんじゃないか」、みたいな言葉)はまずないだろうと思っていてその通りだったが、残ってほしい社員には明確にそれを言われると思っていたのが、それもなかったので。

住んでいた物件を半年以内に退去しなければならないというのも、なんとなく自分の人生の選択が重なるいいタイミングだという気もしてきた。
持ち家がなく子供がいない私たちは、転職で首都圏にこだわる必要はなく、遠方になる可能性もあり得ると思ったので、住まい探しはまず仕事が決まってからだな、と。

というわけで、早期退職に応募することを決断し、私の四度目の転職活動が始まった。
実際の応募は、締め切りの5月末の直前にすることにした。
posted by YAP at 19:00| Comment(12) | 転職 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 足跡を置いて行きますね。
Posted by kame at 2025年02月04日 22:36
ドキドキ、この先どうなるのか予測できない小説を読むかのようにドキドキしながら読んでます。
私の転職は、大卒で就職した業界にキッパリ見切りをつけて、新たに大学に入り直して別の勉強を始める形だったので、若かったから無謀にも未来がまだ広がっている気がしていたし、チャレンジする価値も自ずとあったんですよね…今、辿り着いたここから新たな転職をするとしたら、どうかなぁ…
その2度目の大学を大学院まで出るためにたくさん奨学金を借りてそれを未だに返している最中なので、もう冒険はできないというのが私の現状です。でもそれがなかったら、今でも何か別の道、例えばザルツブルク音楽祭のスタッフになるとか、そういうようなことを目指したりしたかも。
そう考えると、新たなチャレンジをしたYAPさんがちょっと羨ましいです。
Posted by めぎ at 2025年02月05日 01:08
>kameさん、めぎさん、コメントありがとうございます。

>kameさん、
コメントありがとうございます。

>めぎさん、
めぎさんがザルツブルグ音楽祭のスタッフになったら、ご自身の楽しみというのもあるでしょうけど、公演を観に来る多くのお客様も超ポジティブなスタッフのサポートにも感激するのだろうなと想像します。
私も、未だにアメリカの国立公園のレンジャーに憧れます。
Posted by YAP at 2025年02月05日 06:40
大変ご無沙汰しています。

SSブログ閉鎖してしまうのですね。
全く更新していなかったので、このままブログを引退しようかとも思いましたが、
そこまでの勇気がなく、私もseesaaにお引越ししました。

でも、YAPさんはブログの引っ越し以上に大変な実生活でのお引越しと転職だったのですね。
Posted by ジャランこ at 2025年02月05日 08:18
外部企業とのコンサルティング契約を利用してのカウンセリング。
こういうのもあったのですね。
ほんと、こうして読むといろんな選択肢があるんだなって感じます。
転職を決めたYAPさん。
つぎはどんな展開になるのか。気になりますっ
Posted by リュカ at 2025年02月05日 10:34
転職されるにしても、勝手に自動車業界なのかな?と思っていました。
同業異業界という選択肢もあるんですね。
どういう決断をされたか気になります。
Posted by sheri at 2025年02月05日 11:17
>ジャランこさん、リュカさん、sheriさん、コメントありがとうございます。

>ジャランこさん、
お久し振りです。
お元気でしたか?
そうなんです、SSブログのサービス終了で、昨年暮れからブロガーたちは大騒ぎです。
これを機にやめる方も多くいらっしゃることと思います。
ジャランこさんも、私たちと同じく、やめてしまうには(記録を消してしまうには)惜しい思いがあってのお引越しなんですね。
私は昨年後半、私生活が大変でして、そういう話も少しずつ書いております。

>リュカさん、
こういうところは当時の勤務先はしっかりお膳立てしてくれていました。
この先の記事でもちょいちょい登場すると思いますが、このコンサルタントが心折れそうなときも大きな助けになってました。

>sheriさん、
やはり第三者の公平な目でアドバイスをいただけるというのは貴重です。
同業異業界をはじめ、いろいろな選択肢があることがわかり、中には斜め上をさらに超えるような(私にとっては)ぶっ飛んだ企業もありました。
Posted by YAP at 2025年02月05日 21:14
概して早期退職のメリットは退職金の積み増しだけで、中高年世代はデメリットのみ。デメリットを相殺するだけの運と能力があればいいでしょう。YAPさんにはそれがあったんでしょう。私は掟破りの転職となりました。
Posted by jetstream at 2025年02月05日 23:33
早期退職の募集にあたって、会社側も色々と準備をしてくれたのですね。
カウンセリングで第三者の意見を聞けたことは大きかったかもしれないですね。
私も1年毎の再雇用の契約を来年は更新はしませんと伝えた時に、
引き留められなかったので、潮時かなと思いました(笑)
Posted by kuwachan at 2025年02月05日 23:37
客観的に第3者の意見を伺えるのはいいですね。
また違った角度から見えて、視野が広くなって。
我が家も過去数回転職ありますが、毎回、異業種・・・。
Posted by Inatimy at 2025年02月05日 23:42
コンサルティング契約してくれていてカウンセリング受けられるのって良いですね~。自分では気づかないこともアドバイスしてくれそう。いろんな選択肢を見せてくれるのも参考になっていいですね。このあと、YAPさんが何を選んで行かれるのかも楽しみです。
Posted by おと at 2025年02月06日 03:02
>jetsteamさん、kuwachanさん、Inatimyさん、おとさん、コメントありがとうございます。

>jetsteamさん、
この早期退職は年齢基準があり、まさに中高年世代狙い撃ちでした。
たしかに厳しい道が待ってました。

>kuwachanさん、
当事者ではない人の客観的な意見というのはありがたかったです。
中の人の意見は、どうしてもどこかでバイアスかかってしまいますから。

>Inatimyさん、
Inatimyさんのところは毎回異業種ですか。
持っているスキルによっては、それも可能ですよね。
Inatimyさんのダンナ様がどの道の方かはわかりませんが、人事系とか経理系とか、そういうどんな会社でも必要な人材ってありますよね。
エンジニアだと、選べる仕事が限られると思っていましたが、広く見ると意外と選択肢があると思いました。

>おとさん、
コンサルタントの人との会話は、この先大きな助けとなりました。
やはりいろいろな人を見てきているので、紹介してもらう事例もたくさんありました。
Posted by YAP at 2025年02月06日 06:53
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